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東京高等裁判所 昭和53年(ウ)1176号 決定 1979年4月05日

控訴人

西鈴代

外三名

右控訴人ら訴訟代理人

井上恵文

外三名

被控訴人

右代表者法務大臣

古井喜實

右指定代理人

押切瞳

外四名

主文

被控訴人は、別紙目録記載の文書を前記控訴事件の次回口頭弁論期日までに当裁判所に提出せよ。

理由

本件申立に対して被控訴人が当裁判所に提出した意見書によれば、別紙目録記載の文書(以下、本件文書という)を被控訴人が同目録記載の保管場所において現に所持していることが認められるところ、本件申立書と被控訴人の右意見書の各記載内容を照し合せながら前示控訴事件の争点に関して考えれば、本件文書は、民事訴訟法第三一二条第三号にいう挙証者の利益のために作成され、かつ、挙証者と文書の所持者との間の法律関係につき作成されたものに該当し、右控訴事件の訴訟に必要な証拠方法となるものと判断できる。被控訴人が前示意見書をもつて述べる右と異る法律見解は採用できない。また、本件文書が訴訟資料に供されることによつて重大な国家的利益が失われるとする同意見書中の所論は、右によつて航空自衛隊において今後の事故防止対策のための有力な調査方法を放棄せざるを得なくなるという所論前提事実が認められないから採用できない。

よつて、本件申立は理由があるから、これを認容することとして、主文のとおり決定する。

(安倍正三 長久保武 加藤一隆)

別紙目録

一 文書の表示

昭和三八年四月一〇日、北海道千歳飛行場滑走路の南端から南南東約三五〇メートル付近に、航空自衛隊第二航空団第二〇一飛行隊所属のF一〇四Jジエツト戦闘機が墜落した事故について、航空自衛隊航空事故調査委員会が作成した航空事故調査報告書

二 文書の保管場所

東京都港区赤坂九丁目七番四五号、防衛庁航空幕僚監部

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